PCとは
PCってなに?
建築分野や⼟⽊分野で使⽤する、PC(プレストレスト・コンクリート)。
コンクリートの弱点を克服できるため、近年建築に取り⼊れられている技術です。
ここでは、PCについてくわしくご紹介します。
PCとは
PCとは、プレストレスト(あらかじめ応⼒を与えられた)コンクリートを意味しています。
圧縮応力を与えることで、コンクリートの弱点である引張応力を軽減して(無くして)耐力を確保することができます。
PCの原理
プレストレスをコンクリートに与えるために、⾼強度の鋼材「PC鋼材」を引張った状態でコンクリートに固定します。
引張った状態のPC鋼材は、元の形状に戻ろうとするため、その⼒を利⽤してコンクリートに圧縮応⼒を与えます。
プレストレスの与え⽅は下記の⽅法があります
1. ポストテンション⽅式
ポストテンションは、直訳すると「後に与える緊張⼒」の意味で、コンクリート強度発現後にPC鋼材に緊張⼒を与えてプレストレスを導⼊します。場所打ちPC造や、プレキャストPC造に適⽤されます。
2. プレテンション⽅式
プレテンション⽅式は、「事前に与える緊張⼒」の意味で、コンクリート打設前にPC鋼材に緊張⼒を与えます。コンクリート強度発現後に緊張⼒を開放することでプレストレスを導⼊します。
PCの特徴
PC造の梁は、他の構造形式の梁と⽐べて梁せいを抑え⼤スパンを確保することができます。
また、RC造の梁と⽐べてプレストレスト量を調整することで、たわみを抑え、曲げひび割れを制御することができます
各構造を⽐較しました
PC造の分類
プレストレス量を調整することで、PC部材のひび割れや断⾯の応⼒状態をコントロールすることができます。
主に3種類の設計⽅法があり、上から順番に構造性能(たわみ)や耐久性(ひび割れ)に優れており、コストが⾼くなります。
1. フルプレストレストコンクリート
⻑期応⼒時に、引張応⼒度を発⽣させません。(ひび割れを発⽣させない)
2. パーシャルプレストレストコンクリート
⻑期応⼒時に、コンクリートの許容応⼒度まで引張応⼒を許容します。(ひび割れを発⽣させない)
3. プレストレスト鉄筋コンクリート
⻑期応⼒時に、鉄筋に引張応⼒度を負担させ、ひび割れを制御します。(0.2.mm以下)
PC造の⼯法
PC造の⼯法は、下記の通り分けることができます。
1. 場所打ち⼯法
場所打ち⼯法は、PCケーブルの配置と、緊張作業(プレストレス導⼊)以外は、RC造と同様の施⼯が可能です。⼤スパン部の梁にのみPCで設計する場合に採⽤される⼯法です。
2. プレキャスト(PCa)⼯法
プレキャスト⼯法は、あらかじめ⼯場で製作されたPC部材を現場で組み⽴てる⼯法です。現場での型枠作業、鉄筋の配筋などの作業をほとんど無くすことが出来るため、⼯期を⼤幅に短縮できます。
PCを使った建築例
PCを使った建築は様々な場所で使⽤されています。
⾝近な場所の建物も、PC造で作成されているかもしれません。
- 事務所ビル
- スパンをとれるので、⾃由なレイアウトが可能です。
- ⼯場‧倉庫
- スパンを⼤きくすることにより、⼤空間の確保が可能です。
- 体育館‧スタジアム
- 必要な競技空間の確保を可能にします。
- 学校
- 部材の規格化ができるので、PCa⼯法の採⽤、⼯期短縮が可能です。
- その他
- 橋梁、タンク、湾港 など